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第10回渓流保護シンポジウム in 北海道 「川のメカニズムに学ぶ防災と環境」 

→【目次・まとめ・リンク

第10回渓流保護シンポジウム in 北海道
「川のメカニズムに学ぶ防災と環境」


 1960年代から70年代にかけて、川の水質悪化が公害の1つとして問題となりました。その後、法令の規制や行政・市民の活動により全国の川の水質は大いに改善され、札幌においても豊平川に鮭がふたたび遡上するようになりました。
 しかし近年、本来自然に流下する土砂をダムまたは堰堤(砂防ダム・治山ダム)がせき止めることにより川の機能が損なわれ、これを原因とした生物環境や水産資源への悪影響、流域や海岸線の異常浸食さらにそれらが引き起こす災害などが懸念されようになりました。
 本シンポジウムでは特に、防災を目的として設置されている砂防ダムの機能・役割・影響を多面的に検証し、平成9年改正河川法の趣旨である流域の自然の豊かさと防災を両立させていくための知恵と行動を議論する場として開催します。

 <1日目>総合シンポジウム
  2014年9月6日(土)13:30-17:20
  北海道大学文系総合研究棟2階W203教室
  【講演】高橋剛一郎氏(富山県立大学工学部環境工学科環境デザイン工学講座教授)
      田米開(ためがい)隆男氏(元 林野庁関東森林管理局計画部長)
      三上直之氏(北海道大学環境社会学准教授)
  【シンポジウム】道内各地の河川状況

 <2日目>フィールドワーク学習会
  2014年9月7日(日)10:00-15:00(予定)
  札幌市内琴似発寒川にて 

*詳細はこちらへ

■イントロダクション「川のメカニズムと砂防ダムが川に与える影響」

◎はじめに次の動画をご覧ください。


1.砂防ダムと一般的なダムの違いは?
 (1)水を貯めない
   →発電、灌漑・飲料水確保、増水時の水量調整機能などはない。
 (2)土砂災害防止が目的
   →土石流発生の危険がある荒廃山地、浸食の進む渓流河川が対象。
    通常いくつも連続して作ることで機能を果たすとされる。

(参考:Wikipedia)
●砂防ダム…土砂災害の防止(土石流の停止、流出土砂量の調整、地すべり抑止、河床の縦浸食の防止など)を目的に、砂防法に基づき河川に設置される構築物。規模により「砂防堰(えん)堤」「床固工」などとも呼ばれる。
●治山ダム…同様の目的で森林法(治山事業)に基づき設置されるものを言い、「谷止工」「床固工」とも呼ばれる。
◎当ブログでは、特に明示がない限り、砂防ダムと治山ダムをあわせて砂防ダムと呼びます。

2.砂防ダムをめぐる問題
(1)設置前
 a.荒廃山地判定の不明確


(林野庁ホームページ「日本に山地災害が多いわけ」より引用)

 砂防ダムが防ごうとしている土石流発生の危険性が高いのは、火山の爆発や樹木の伐採などによって地形が不安定になっている荒廃山地、崩落を繰り返す急峻な山岳渓流などですが、この危険性の判定方法が不明確で、川が本来持つ浸食と運搬作用の結果として生じる通常の河岸浸食や土砂の堆積が危険で有害なものとみなされた結果、作られた砂防ダムが数多くあると考えられます。

 b.過大な災害想定
 過去の最大記録をはるかに上回る降雨量や、降雨量に比べて過大な増水量などを前提とした災害想定を行い、不適切に大規模な防災対策として砂防ダムを計画し・設置した事例が多数あると考えられます。
 
 c.費用対効果(B/C)の不明確
 公共事業は、事業費用(C)に対して得られる便益(B)が「1」以上であることが目安となります。例えば、1億円で砂防ダムを造った結果、下流の住宅や橋などの財産が土石流により「失われずに済む可能性額」が1億円ならば「1」です。公共事業実施者は「B/Cは1以上である」と言いますが、算定根拠となった各数値や計算方法を明らかにすることはしません。

2)設置後
 a.地形への影響
(以下3画像は「流域の自然を考えるネットワーク」より引用)
degrade01.jpg
 砂防ダムが土砂の流れを止めるため、土砂が過剰となる上流では河床上昇が、土砂が不足する下流では河床低下が進み、上流下流とも増水時に河床や河岸が一気に浸食されるようになり川が不安定化します。

河床低下によってやがて両岸が崩落し、かえって災害を引き起こす要因となります。
houkai-shikumi.jpg

上流に向かって土砂が堆積していくことで河床が上昇、屈曲部で山体を浸食して崩落を加速させるようになります。土砂災害を防ぐはずの砂防ダムが上流部でも不安定化を招きます。
upgrade00.jpg


 b.生物への影響
  ●草木類…増水時の勢いを緩和する川原(氾濫原)や川岸が浸食されて水辺の植生がなくなり、両岸の樹木が倒れ落ちる。地下水位低下の影響も受ける。
  ●昆虫類…川底の砂利の過剰または不足・シルト(泥)化により、水棲昆虫が棲息できなくなる。両岸の草木を棲家とする昆虫が減る。
  ●魚類…川が分断されて自由な行き来ができなくなる。特に海と行き来するサケマス科に影響大。魚道があっても十分に機能しないものが多い。川底の砂利の過剰または不足・シルト(泥)化により、棲息・産卵できる場所が狭められる。餌となる昆虫類が減る。
  ●鳥獣…水辺の植生や樹木がなくなると棲息場所を失う。餌となる魚類・昆虫類が減る。

3.河床低下の起きている河川
 ・動画「河床低下の起きている北海道の川」…各地の現場写真を紹介。
 ・個別事例報告(「流域の自然を考えるネットワーク」提供)
   |羽幌川鉛川砂蘭部川暑寒別川真駒内川千代志別川(砂防ダム建設中)|

4.スリット化やダムの撤去により問題は解決できるのか?
 ・動画「砂防ダムの影響は改善できるのか?」
   …せたな町:良瑠石(らるいし)川は砂防ダム撤去により、河床は安定し、魚の溯上も回復している。
 
5.砂防ダムと河床低下のメカニズム
 ・動画「砂防ダムと河床低下の関係」
   …砂防ダムによって川に生じる変化をアニメで説明。
 ・動画「水路実験-砂防ダムによる流路の変化」
   …水路に自然河川を模した状況を作り、砂防ダムを設置その後撤去した場合の動態。
 ・動画「水路実験-砂防ダムと河岸崩落」
   …水路に山岳渓流を模した状況を作り、河床の砂を流出させたあと増水させたときの動態。
 ・動画「水路実験-露盤化をもたらす砂のコンベヤ効果」
   …水路に粗礫化した河床を模した状況を作り、砂とともに水を流したときの動態。
   →砂が大きな石を動かす様子(特に最後の部分)は土石流のメカニズムにも通じる。実際の土石流動画と比較してみてください。過剰な土砂を出す荒廃山地や崩壊地の下流は土石流要注意であり、砂防ダム・治山ダムは本来これらに備えるものです。

6.より詳しいことが知りたい方へ
 ・魚類への影響について
   →「北海道淡水魚保護ネットワークの書庫」へ
 ・川のメカニズムと環境について
   →「独)土木研究所自然共生センター研究コラム」へ
 ・河床低下と河岸崩壊に関する詳細なレポート(札幌市真駒内川もあり)
   →「浦壮一郎 web site
 ・北海道にある砂防ダムの写真アーカイブ
   →「北海道の川が泣いている」へ
 ◎または「総合リンク」へ
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