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130506_【真駒内川】現場観察記録 

真駒内川は札幌市内を流れる豊平川に注ぐ流長20kmほどの川で、豊平川との出合い地点にはサケ科学館があり、サケやサクラマス(ヤマメ)の稚魚が放流され、親魚は海からこの川に帰ってきます。

より大きな地図で 130506_makomanai を表示
このグーグルマップを拡大別表示して、ぜひ各地点を確認したり、衛星写真で見てみてください。

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真駒内アリーナのそばで真駒内川は豊平川に合流します。手前を右から左に流れるのが豊平川です。

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合流点直上の真駒内川、一部の石は人為的に配置されています。

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近くのサケ科学館で展示されているサクラマスの稚魚ヤマメ。
サクラマスはサケと同じく川で生まれ、メスは海で育ちふたたび川に戻って繁殖するという生態をもった日本海沿岸のみに棲息する固有種ですが、ここ数十年で急激に減少し絶滅を危惧されています。
その大きな原因は、川に作られる構築物が引き起こす環境悪化です。川の健全性を評価する指標として、サクラマス、ヤマメが十分に繁殖できる環境にあるかどうかは重要なポイントになります。
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産卵のため溯上するサケ、サクラマス(奥)の親魚(hiyeda.com「サクラマス2」ページより)

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体長50-60cmのサクラマスの親魚は、このような、湧き水の湧く、小さな石のある、浅い川床に産卵します。大きな石では尻尾で掘り起こせず、泥では稚魚が呼吸できません。湧き水は適正水温を維持し新鮮な酸素を稚魚に提供します。
ごく当たり前の川床に見えますが、このような良好な場所は、真駒内川全域でごくわずかなのです。
上流に作られた砂防ダムにより、真駒内川の川底は慢性的に土砂(砂礫)が不足しており、魚類生息環境の悪化、さらには異常浸食による川自体の破壊が進行しています。

以下、真駒内川の最上流部から下っていくことにします。写真の場所は上掲のグーグルマップにマークしています。
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最上流の空沼ダム(S46竣工、魚道なし)、堤高が15-20メートルと巨大です。

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ダムは堤高いっぱいまで砂礫が堆積し、数百メートル上流まで谷を埋め尽くしています。

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堆積土砂には潅木が生長し、樹林化しつつあります。

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ダムが満砂のため、ダム下にわずかな土砂が流下していますが、砂礫が不足した川床です。

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その下の常盤2号砂防堰堤(S53、魚道なし)。ここも満砂です。

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砂防ダムの上流には堆積が生じ、下流は砂礫が供給されないだけではなく、そこにあった砂礫が水の運搬力により運び去られます。
この作用により、川底が下がり(河床低下)、大きな石だけが残る状態(粗礫化)になり、岩盤地層が露出(露盤化)し、岩盤が弱い場合、岩盤の浸食による渓谷化(キャニオン化)が進行します。
◎河床低下と山脚崩壊のメカニズムについては「流域の自然を考えるネットワーク」のサイトに分かりやすい説明があります。

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常盤3号佐伯堰堤(S61、魚道なし)。これも大きな構造物です。
浅いダム湖を形成していますが、渓流魚は泥底で流れのないダムには棲息しません。

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常盤1号砂防ダム(S52、魚道なし)。ここも下流の粗礫化が顕著です。

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同ダム下流。河岸の土壌がえぐられているいるのは、砂礫が持ち去られ、河床が低下して、河岸の石がずりおち、増水時に一気に浸食が進むためです。
このように浸食が進行する川は増水時に流出する土壌のため濁りを生じ、川底を泥で埋めるため、魚類や水棲昆虫の呼吸ができなくなり、生態系的な貧困化が進みます。

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一見、よく保全された川に見えますが、河床低下して両岸が浸食され、露盤化も進んでいることがわかります。

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1号床固工(S60、魚道あり)。ここまで下るとやっと魚道がありました。つまり、ひとつ上の常盤1号砂防ダムが溯上する魚の到達できる限界点です。
021P1000524[1]
ここの下流も露盤化しています。
ダムの上流は数百メートルにわたって過剰堆積しダム湖化します。一方、下流も数百メートルにわたって路盤化します。それによって、魚類にとって住みやすい、産卵に適した砂礫の川底の範囲も狭まります。
上流ダム群はここまでです。

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周辺に住宅が増える、みずなら橋より下流を臨む。この区間2kmは「自然区間」とされ、両岸、川底ともあまり手がはいっておらず、河畔林もあります。しかし、砂礫はすくなく、柔らかく浸食されやすい凝灰岩地層が見られます。

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更に下って、常盤1号橋上流。河床低下により、凝灰岩の露盤が現れ、河岸浸食が進んでいます。
033P1000575[1]
本来、護岸の役目を果たす川原の石は、上流から供給されず、流れ去る一方です。

034P1000578[1]
「自然区間」は常盤1号橋で終了。ここから下は行政の言う「小規模改修工事」の延伸区間です。

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常盤1号橋から下流はいきなり河畔林がなくなっています。

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自然石をコンクリートで固めた堤を土で覆っていますが、流れの屈曲部外側(攻撃面)の浸食力の計算違いか、すでに表土がもっていかれています。屈曲部内側(堆積面)に必要ないはずのブロックが設置されています。

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すぐ下でも表土がもっていかれています。

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常盤人道橋と藻南学園橋の間のNo.6斜路工。数年前に被災して作り直したばかりとか。ここも増水で容易に表土がもっていかれそうです。河畔林がなく、砂礫に乏しい川底では、魚は居つきません。
このあたりは、以前は下のような場所でした。
SP-5200上流[1]
河畔林が鬱蒼としげり、砂礫河床のある平滑な流れでした。河畔林を皆伐し、堤をかさ上げし、川底にあった砂礫をさらってコンクリートで貼り付けたのが、今回の工事です。

039P1000588[1]
藻南学園橋を下流から臨む。
自然石コンクリート護岸がなくなり、川底から引き上げた石(!)で土堤を僅かばかり覆っています。
左側の岸は凝灰岩の露盤が見えており、川底も露盤化していることが想像されます。
ここは一気に河床低下がすすむ可能性があります。
藻南学園橋上流[1]
藻南学園橋付近も、2005年にはこのような場所でした。(Copyright @ MK)

040P1000591[1]
今回のゴール、真駒内1号橋の上流では、きわめつけのキャニオン化が進行していました。
砂礫が上流から供給されず、川の運搬力により持ち去られる一方のため、粗礫化、河床低下、露盤化が進み、弱い凝灰岩地層が流れに削られています。
◎河床低下と山脚崩壊のメカニズムについては「流域の自然を考えるネットワーク」のサイトに分かりやすい説明があります。

041P1000590[1]
かつてのコンクリート護岸は水面より2mも上になり、深い谷が刻まれつつあります。この谷の落差があと1メートル進行すれば、サケもサクラマスも溯上できなくなるでしょう。
(事実、本流である豊平川は、藻南公園下でこのキャニオン化が大規模に進行し、すでに溯上困難です。)

行政は、真駒内川流域河床低下対策検討会を発足させていますが、コンクリートの床固工で、露盤化した川の浸食力に対抗するつもりのようです。

川床の砂礫は浸食を防ぐ自然の舗装であり、流れを穏やかにするおもりの役割を果たしています。また、河畔林の根は河岸を強化しています。しかし、行政の治水・砂防事業はこれらを取り去ろうとする方向ばかりです。

満砂の空沼ダムから砂礫を運んで露盤化した箇所に入れれば、少なくとも当面の間、流れが直接凝灰岩をえぐることはなくなるのではないでしょうか。
川岸にヤナギやハンノキなどの河畔林を再び繁茂させれば、堤は強化され、増水時の流れへの抵抗にもなります。
砂礫と河畔林は川を保全し、生き物たちに棲息と繁殖のための快適な場所を提供しています。

004P1000592[1]
はじめに掲載したサクラマスの産卵に適する河床は、真駒内川のごく下流部です。真駒内川は、サクラマスにとって溯上しづらく、上流にいくにしたがって産卵適地のない川なのです。

砂防ダム、河床低下の問題については、下記サイトもご覧ください。
流域の自然を考えるネットワーク
浦壮一郎 web site
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カテゴリ: 真駒内川

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130309_「サクラマスが遡上する真駒内川~生態から川を学ぶ」  

札幌市豊平川支流の真駒内川は、流域の大部分が護岸と河床構造物で固められた川になってしまっていますが、更に河畔林を伐採して、野生生物の居場所をなくし、大幅な河川改修を続けています。
問題解決のための施策ではなく、新たに重大な問題を連鎖的に引き起こしていく事業であるように思われます。「NPO法人真駒内芸術の森緑の回廊基金」がこの問題に取り組んでいます。

「サクラマスが遡上する真駒内川~生態から川を学ぶ」 
講師 :稗田 一俊氏(動物写真家)
... 日時 :2013年 3月9日(土) 14:00~16:30
場所 : 南区民センター2F視聴覚室(地下鉄南北線真駒内駅より徒歩5分)
参加費 :300円 申し込み:不要
主 催 :NPO法人真駒内芸術の森緑の回廊基金
後 援 :札幌市もっと見る

カテゴリ: 真駒内川

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